乾燥肌・便秘がち・毛が抜ける
乾燥肌・便秘がち・毛が抜ける

「最近、肌が乾燥しやすくなった」「便秘が続いている」「シャワーのたびに抜け毛が気になる」——こうした症状は、加齢や季節の変化、ストレスのせいだろうと見過ごしてしまいがちです。しかし、乾燥肌・便秘・脱毛が同時に、あるいは繰り返し現れる場合には、甲状腺機能低下症をはじめとする内分泌疾患や、鉄欠乏・栄養障害などが背景にある可能性があります。
当院では、こうした「なんとなく不調」の原因を血液検査や専門的な診察で丁寧に調べています。「美容の問題だから内科には関係ない」と思わず、ぜひ一度ご相談ください。
肌の乾燥・便秘・抜け毛は、それぞれ単独でも起こりうる症状ですが、3つが重なって現れる場合には、体全体の代謝やホルモンバランスに何らかの異常が生じているサインである可能性が高まります。特に注目すべき疾患として「甲状腺機能低下症」が挙げられます。
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を調整する重要なホルモンです。このホルモンの分泌が低下すると、体全体の働きがゆっくりになり、皮膚・消化管・毛包(もうほう)など多くの臓器に影響が及びます。
これらの症状を引き起こす可能性がある主な疾患や状態を以下にご紹介します。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの産生が不足する状態で、最も多い原因は自己免疫性の「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。日本では女性に多く見られ、30〜50代を中心に発症することが多いとされています。
代謝が低下することで、以下のような多彩な症状が現れることがあります。
これらの症状は徐々に進行するため、「年のせい」「疲れているだけ」と気づきにくいことが特徴です。
女性に多い鉄欠乏性貧血も、乾燥肌・脱毛の原因となることがあります。鉄は皮膚細胞や毛髪の生成に必要なミネラルであり、不足すると肌荒れ・抜け毛・爪のもろさ・倦怠感などが現れやすくなります。月経量が多い方・妊娠中・授乳中の方は特に注意が必要です。
副腎から分泌されるコルチゾールが不足すると、疲労感・食欲不振とともに皮膚症状が現れることがあります。また、女性ホルモン(エストロゲン)の低下(更年期・早発閉経など)も乾燥肌・脱毛の一因となることがあります。
極端な食事制限や栄養の偏りは、タンパク質・亜鉛・ビオチン・鉄などの不足を招き、髪や皮膚のコンディション悪化につながることがあります。過度なダイエット中の方も注意が必要です。
当院では、症状の原因を特定するために以下の検査を行います。
問診
症状の始まった時期・経過、月経状況(女性)、生活習慣、服用薬、家族歴などを詳しく伺います。
血液検査(甲状腺機能)
TSH(甲状腺刺激ホルモン)・FT3・FT4を測定します。TSHの高値は甲状腺機能低下の重要な指標です。抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体の測定で橋本病の確認も行います。
血液検査(貧血・栄養)
血算(Hb・MCV)・血清鉄・フェリチン・亜鉛・ビタミンB12などを確認します。
血液検査(ホルモン全般)
必要に応じて副腎ホルモン・女性ホルモンの測定も行います。
甲状腺超音波検査
甲状腺の大きさ・形状・結節(しこり)の有無を確認します(必要時)。
原因疾患が判明した場合は、それに応じた治療を行います。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)を補充する治療を行います。内服を継続しながら、定期的に甲状腺機能をモニタリングし、薬の量を調整します。適切な治療により、皮膚・便通・脱毛などの症状改善が期待できます。
鉄欠乏性貧血
鉄剤の内服・食事指導(レバー・赤身肉・大豆製品・ほうれん草などの積極的摂取)を行います。
栄養不足
食事内容の見直しや、必要に応じたサプリメント・栄養補助の指導を行います。
ホルモン異常(副腎・女性ホルモンなど)
精密検査の結果に応じて治療または専門科へのご紹介を行います。
保湿ケア
入浴後すぐに保湿剤を塗り、皮膚の水分を逃さないようにしましょう。
バランスのよい食事
タンパク質(肉・魚・卵・豆類)、鉄・亜鉛・ビオチン(レバー・ナッツ・卵黄)を意識的に摂りましょう。
適度な水分補給
腸の動きを助けるため、1日1.5~2リットルを目安に水分を摂取しましょう。
過度なダイエットを避ける
急激な食事制限は栄養不足を招き、肌・髪・腸の状態を悪化させる可能性があります。
ストレス管理
慢性的なストレスはホルモンバランスに影響します。十分な睡眠と休息を心がけてください。
乾燥肌・便秘・脱毛は、美容や生活習慣の問題と片付けてしまいがちですが、甲状腺機能低下症・鉄欠乏性貧血・ホルモン異常などの内科的疾患が隠れていることがあります。これらは適切な治療によって症状の改善が期待できる疾患です。
当院では、血液検査やホルモン検査を通じて原因を丁寧に調べ、一人ひとりに合った治療・生活指導をご提案します。「なんとなく調子が悪い」と感じている方も、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状・治療法については必ず医師にご相談ください。
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